泣きたくなるわけなんかないよ

「魔王と私」に行ってきたよ。
運悪く職場の歓送迎会でしたがどうしてもこれは外せないと思い中座して神保町へ。21時からだと思ってものすごく焦ってたら*121:15開演だった・・・。ま、トイレ行く余裕ができたからよかったです。


魔王コントをなぞりながら家城さんが解説をしていっていくれました。映像物は全部もう一回見れた*2。家城さん曰く魔王コントは「とにかくお客さんに想像させて、その想像を裏切ることをテーマとして作った」そうです。加えて「伝えたいことなんか何にもないんです!!」と。あはは。ま、これは後で「敢えて言えば・・・」とかなり大事なことを話してたので本当はあるんだと思いますが。それにしても私が深読みしてたこと全てが本当に思い込みだったことが分かり、単独についてのエントリを消し去りたい衝動に駆られたよ。笑 残しますけどね。舞台は幕が閉まったらもう観客一人一人のものになっちゃうんだもんね!

家城さんが今年一番やりたかったシーンは、林景荘が魔王を倒しに行ったら魔王が自殺してたシーンなんだそうです。生演奏含め、「一番くだらないと思う。大爆笑のイメージだった。」らしいので。でもそれだったら魔王をあんなにかわいくしちゃダメだと思う!!笑 あのシーンが最初に浮かんできて、そこに向かって今年の単独を作ってきたのに、それがひと笑いもとれなかったと家城さんは笑ってました。まー、私も確かに「“カリカの単独”だ!!」って気負ってしまうというか、何かメッセージを受け取ろうとしてしまうところがあるので、それは悪い癖なのかな、と思いました。まっ平らにただ笑いに行くだけのほうがカリカとしてはありがたいのかもしれませんね。


さて終盤、伝えたいことなんかないと言った後に敢えて言うならとつけたしたのが、「虚無感を伝えたかった」でした。魔王を倒しに行って魔王が自殺してたらものすごい虚無感だろうなと。で、それを下らないなーと笑い飛ばして、「さ、頑張ろう」と思ってくれたらいいな、と。それを聞いて私は、この人ほんとに何なんだろうなと思いました。コントのテーマとか作ってるときの狙いとか聞いていてやっぱり“プロ”だなーと感じいった後になにそのピュアネス!!!笑 私はカリカの2人が人やものを面白がる見方はとてもシニカルだと思ってるんです。それは意図してひねているわけではなくてもともとの感覚がそうなんだと。そんな感覚を持ちながら青春パンクのバンドマンみたいなことをペロッと言った家城さんは、あまりいないタイプの“芸人”じゃないかと思いますよ。「お客さんと僕は、こういう状態で(劇場に見に来てくれてる段階で)すでにちょっと繋がってるじゃないですか」って!!!そういうこと言うミュージシャンいるけど!!笑


最後に来年の単独のテーマを教えてくれました。多分ネットのどこかに落ちてると思いますので私は書きませんが、とても素敵なモチーフ。素敵な鬼っ子に育ちますように。

*1:55分着の半蔵門線だった

*2:欲を言えば私はEDのVより家城さんの話がききたかったですが。