籠の城アゲイン
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もう一回見てきたのでまたも。懲りずに果てしなく長いです。のでたたみます。
やっぱりこの芝居好きです。
2回目はストーリーが分かってたから、世界観とか細かい設定とかそういうのを気にしながら見てみました。
まず気になったのが「旅行記」。
城側の人間が使ってる記録用の物は貝殻とか木の板だったんですけど、
旅行記だけは普通に紙の冊子だったんですよね…。
最初は、外の世界と籠(城)の中を明確に分けてるんだなー、細かいなーと思ったんだけど、
じゃあ何でヤツガシラはあの冊子を見て「何これ?」ってならなかったのか。
って思ったんだけど、思い返してみたら“本”の存在は籠側もみんな知ってるんだよね。
あんな生活だったら籠側は文盲になりそうだけどなぁ。
んでウミネコに「お前字が読めるのか?!」っていう反応がありそうだけど。と思った。
一応文字の教育とかは子供のころにされるんだろうか。だろうな。
あと衣装が良かった。特に籠側。
ウミネコやヤツガシラは弥生時代っぽくて、ヤマシギやモズが原始っぽい感じだったんですけど、前者のほうがより「ヒト」に近いってい
う感じがいい。
前者が先に自分で考えるようになったり自由に憧れたりするのとリンクしてると深読み。
そう思ってみるとヤマシギの「俺だって外に出てえよ!」の瞬間の感動ったらなかった。
今までずーと何も考えてなかったヤマシギがウミネコに会って
『城』より『籠』という呼び方のほうがしっくりくるとか色々思うようになって、
あの瞬間に確固とした意志を持つんだよね。「出たい!」って。
すんごい心臓掴まれました。村上はああいう演技がホントにうまい!
んで多分ヤマシギは元々考えずに動いてきた人だから行動力があるんだよね。単純だし。
「外に出る」って決めてからはとっととやるって感じが素敵だった。
ごめんなさいね村上びいきで。
あとはラストの池谷さんの表情が…!
最大限に涙腺がつつかれましたよ!!!
『伝達』という役には思考が止まりません。
「ウミネコが“自分を導いてくれる存在が必要だ”と思って(池谷さんの)伝達をうみだしたのかもしれないな」
というようなセリフがあるんですけど、
“自分を外に出してくれる存在が必要だ”のほうがしっくりくるかな。
ウミネコが池谷伝達を生み出した背景が分かりにくいんだけど、
意識朦朧で辿り着く→城側に捕えられる→「外に出してくれ!」→導く池谷伝達を創造、てことだと想像してるんですが。
それと、ヤツガシラの処分の後、刑罰からピストルを受け取って自分のズボンに差し込んだのはどういう意味があったの?
最後、笑顔→真顔→笑顔に変わるのは、自分が消えてしまうのはつらいけど
ウミネコが自由になったから安心したってこと?
実は伝達が一番不自由だったんじゃないの?
ウミネコが生み出した概念のようなものだからそれはいいの?
ウミネコが作り出したのなら、池谷伝達が
「この世界は変わらなきゃいけなかったんだ」と思うのは誰の遺志?
そういう風に思わなければ最初からウミネコに全てを話せばよかったんじゃないの?
もしウミネコが「変わらなければいけない」と思うほど籠の中にいたのであれば
疲労困憊で記憶喪失って辻褄が合わないし。
池谷伝達自身に独自の意識があったのであればあのラストはちょっと酷じゃない?
一カ月たって支配される生活に馴染んだウミネコにはもう導いてくれる人は不要だったように思えるんだけど、
まだ池谷伝達がいるということは絶対外に出ると倒れる前にウミネコが思ってたってこと?
『必要としなくなる』の判断はどっちがどうやってするの?
すっきりしなーい!!!田所先生にすべてをぶつけたーーーい!!
城側は完全にキャラありきだった印象です。
林さんかっこよかったなー。
中澤は中澤だったなー。
池田は引き出し多いなー。心底感心だよ。
話のテーマに迫るシリアスな部分を籠側が多く受け持ってたから、その分城側が笑いをとる方向だったような。
あ、笑いをとるで思い出した。
ヤツガシラが処分されたことを籠側三人が伝達から聞いたあとのシーンで、
「そんなの関係ねえ」が控え目に、「関係ないね」が無くなってたのが嬉しかったな。
シリアスで見たいという意見多かったのかな。
自分もアンケートに書いてたので、反映されてうれしかった。笑
もう一回見たかったなー。千秋楽の当日券は難しいだろうな…。
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