刀を削って今日がある

他意が反映されまくってしまいましたが各コンビの感想という宿題も終わりまして、やっと準決勝の審査に対するあれこれを書けます。思い入れの強いコンビが悉く落ちているので、基本的に恨み節になることが予想されます。ご了承いただける方だけ先へどうぞ―。


もうもうどうしても愚痴りたいのは、ピースとスリムクラブの決勝進出です。この2組、「何故今年?」という思いがぐるぐるぐるぐるしています。まずピースですが、多分3年くらい前からこのネタとあと2個くらいしか漫才のネタってやってない気がするんです。いくらM-1相対評価とはいえ、敗者復活で同じネタをやった2年前の時点で「ピース惜しかったよね」みたいな声はあまりなかったはずで、それなのに今年爆発的に面白くなっているわけでもないのに決勝というのはどうしても・・・どこかに吐き出さないとやりきれない。*1もちろん、キャラ認知がされた分さらにウケるようになっただろうし(私はもともとあまり好きなネタじゃないけど)、決勝でも無難な順位になるんだと思います。だからただただ“複雑な気持ち”*2スリムクラブに関しては・・・まぁ、嬉しい気持ちも4割くらいはあるんです。真栄田さんが「決勝行ってやりますよ!」って意気込んでたのが報われましたし、審査員の皆様はどう思うの?!ていう興味もある。笑 ただ、やっぱり私の中で「もうこのネタいいだろう」と感じます。今の漫才のかたちより今年のKOC準決勝のかたちがベストだと思ってますし*3。とりあえず、「スリムクラブが決勝にいったらM-1はその年で終了だ」というカリカの予言*4は当たったわけですね。笑


で、なんでこの2組にぷりぷりするかというと、本当に決勝で見たかったコンビ(囲碁将棋、POISON GIRL BANDタイムマシーン3号)が他にいるからなんですよね。だからそうじゃない人は十分納得できると思う。
囲碁将棋は何度も言いますけど準決勝で客観視できなかったので、受け具合の判断はできなかったです。だから『囲碁将棋が落ちた』ということを絶対評価として考えたら、おかしいとは思わなかったんですよね。なんなら「下ネタを下ネタらしくやりすぎたし*5仕方ないかー」とすら思ってたんです。だけど周りの評判を聞いたり、上記の2組が通っているのを見ると、相対評価として「通してやってもよかったんじゃん!」という悔しさがわいてきました。私にとって唯一M-1への努力を追ってきたコンビだったので、どれだけの新ネタを作って舞台にかけて勝負ネタ選んで微調整してきたかを知っているだけに尚更悔しい。ただ、本人たちがやりきっただろうということと、「こんな大舞台をホームに感じる」ことができたということが救いです。二人にとって大きな自信になったと思います。だからこれからも面白いネタ作ってやり続けてほしいよ。もうどんどん長尺のネタやってほしいな。4分の呪縛は無くなるわけですから。
ポイズンについてはあれこれ語れるほど実際は追っていなかったので恐縮ですが、やっぱり決勝で見たかった。たまに舞台で見るポイズンのネタは他の若手に比べたら面白さの平均値が段違いに高くて(と個人的には感じていて)、『最下位のポイズン』みたいな世間のイメージがとても悔しかったのです。多分審査員もそういうイメージでいるんじゃないかな。だとしたら本人たち(特に吉田さん)はもっと強くその悔しさは感じていたはずで、M-1というタイトルを獲ることで、一矢報いるじゃないけど周りを見返してほしかったなと思います。まーでも、準決勝の出来はベストでは無かったと思うのでそういう意味では仕方ないんですけどね!分かってるよそれくらい!
タイマ*6なんてポイズン以上に語る資格なんてないですが、準々決勝でも準決勝でも文句なしにトップウケグループだったですよ!!!!絶対!!!M-1が競技化されて『その日一番面白い漫才を決める』大会じゃなくなったのは十分分かっていたけど、それにしてもあまりにも理不尽。正直私は、去年の南キャンは準決勝の会場ウケ補正がかなり入っていたと思っていて、それはM-1の最後の良心だったと思うのですが、だったら今年のタイマもあげなきゃいけないレベルのウケだったよ。こういう組を落とすから、「今の笑いは面白くない」みたいに言い出す人がいるんだよ!うちの上司とか!!


熱くなってしまいました。えーと、その他の組についても簡単に。
ナイツ・ハライチは「またか」という声もよく聞きますが、個人的には妥当。フォーマットが一緒でも違うことやってるしそれが面白いんだもん。力のある人が連続で出るのは当然あることだと笑い飯が証明してますしね。
銀シャリは自分があまりネタを見たことがなかった新鮮さを差し引いても面白かった!決勝進出者発表の1組目が銀シャリだったんですが、その時の会場の沸いた空気は今思い出してもちょっと興奮します。決勝で2本ネタ見られるといいな!
カナリア、おめでとう。彼らはこれで売れると思います。ボンちゃんをうまいこといじってくれるであろう先輩方もTVの世界にいっぱいいますし、安達さんはイケメン扱いで露出増えるでしょう。
ジャルジャルも外野がうるさいコンビですが、準決勝のネタ見たら納得できるよきっとみんな。私はスリムクラブよりもジャルジャルの方がM-1に対するどぎついアンチテーゼだと思ってますけどね。どこまでも“コント師”の目線で“漫才”を皮肉ってネタやってるように見えますから。決勝楽しみだなー。

M-1の功罪についてはいろいろ思うところありますが、この大会があったおかげで必死でネタを作る・磨くという行為を若若手が忘れないでいられたということには本当に感謝したいです。次の構想も何やらあるようですので、それまで引き続きいいネタをみんなが作ってくれたらいいな。

*1:だもんで同じようなお友達と準決勝後に管まいてきたわけですが。

*2:「複雑な気持ち」だなんてシンプルで陳腐でいいね 気持ちがいいね(枡野浩一

*3:ネタの内容のマイナーチェンジはちょっとずつしてる。

*4:2010年12月のカリカトークにて

*5:女子大生のセリフとか

*6:結局なんて略したらいいの?笑