らったったったらったらったった

カリカ単独「魔王コント〜あなたは魔王を殺せますか?」に行ってきました。
去年ほど脳みそ煮えるような興奮はありませんでしたが、存分に楽しんできました。ネタばれとか気にせずに徒然と感想を。
なんだか今年の単独は“カリカ”という単位に思いをはせる結果に。
そしてちょう気持ち悪い盲目な感じに。汗


とりあえずもうとにかく林さんてすごい人だな!と。去年も今年も、林さんの芝居(?)で一番印象に残っているのが葛藤している時なんですけど、あの“どうにもならない感”は迫るものがあります。だけどその葛藤が際立つのは、序盤の適当で冷血で苦労知らずなところや最後の全てを引き受けた決意の顔があるからなんだと思います。カリカがやっているのはあくまでコントで、劇団のお芝居なんかじゃないので、笑いの中にこういう表情を入れ込めるのってなかなかすごいことなんじゃないかなー。そう考えると、家城さんのブログにもありましたが、家城さんの脳内を表現(not再現)するのが一番上手いのは確かに林さんなんでしょう。ま、でも私はお芝居をほとんど見ないので、素人の戯言です。大目に見てください。

その家城さんの脳みそも、今回も「なんでそんな発想になるの?」ということがいっぱいでした。だってまずタイガーバームの神って何!笑 『手に入れろ!タイガーバーム』って!笑 魔王の正体が神様で、人を守るために魔王という“役”を創りだした。人類全体を守るために、一部の人間を虐殺していく。人々の怒りを、不満を、自分の周りに向けさせないために。だから「あなたは魔王を殺せますか?」なんですよね。魔王を殺すと戦争を引き起こして、全滅しちゃうかもしれないのにあなたはできますか?って。それに対して主人公の林景荘は最後に「戦争が始まったら、その戦争を止めればいい。必要悪など認めない。」という答えを出すわけです。これ、言ったら正論ですよね。だけど奇麗事に聞こえない、むしろきちんと胸に響く言葉として届くのは、それまで2時間以上使って林景荘の葛藤を描いてるからだと思うんです。コントなのに!でも魔王の自殺を受けて、結局林景荘は自分が全ての役目を引き継ぐ決心をするんですよね。この変化がどういうことなのか、未だに咀嚼できていません。


あと、自分が音楽バカだから勘ぐりすぎちゃうんだと思うんですが、このライブにおいて音楽って結構大きなファクターだったと思うんですよね。ま、家城さんの演出で何をいまさらって感じですけど。ただ選曲がいいとか物語とシンクロしてるとかいうだけではなくて、家城さんの音楽に対する思いみたいなものが・・・うーん、上手く言えないんですけど、大オチで魔王の死を願うのがミュージシャン(多分レゲエの人)だったわけですけど、林景荘が魔王を倒しに行く前の決意が家城さんの「魔王を殺す意義」の答えだとしたら、音楽はそれを成せるものだと思っているんじゃないかと・・・。飛躍しすぎですね。もうちょっと考えてみよう。


最後に、伝説の剣の名前が『カリカ』だったことが震えるほど感動でした。「いつでも初期衝動を呼び起こさせる」力を持つものに自分たちの名前を付けたことで、家城さんにとってカリカがそういうものなのかと思うと、ファンとしてはとても嬉しい。



疲れたので笑い部分にまた改めて。とりあえずみゆき姫と不動産屋がすきでたまらなかったでふ。
林克治という変態”と、“家城啓之という妖怪”の世界からはまだまだ抜けられそうにありません。