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神保町花月『黄昏』
神保町花月しずる班『黄昏』千秋楽を見てきました。
土曜の２回目も見たんですが、通してかなり好きな感じでした。
ひとまず詳細を公式より引用。

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『黄昏』
脚本：白坂 英晃(はらぺこペンギン）
演出：河村 由紀恵（テアトル・エコー）
出演：しずる、あべこうじ、ポテト少年団、ブロードキャスト、
　　　ＧＯ！皆川、岡田亜矢（劇団THEフォービーズ）

俺は、ただただ、立ち尽くす。
これは、やり直しのきかない事実を、ただひたすらに実感する、
少し苦めの物語。

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甲子園に出場したとある野球部の部員たちがマネージャーの葬式で12年後に再会した。
わだかまりの残っている部員たちの現在と、高校時代の回想が交錯する形で物語は進行します。

とにかくしずる・池田の演技に心底驚きました。感情の波の小さいキャラクターもできるんだなぁと。
そしてまた役もいい役で！
貧乏くじをひきやすいんだけどそれを貧乏くじと思わないお人好し。
あんなトーンの優しい池田もいるんだなぁなんて思ってしまいました。

村上もきっちり主演の仕事をしてましたね。
全編通して安心して見てました。あ、最後の一発ギャグ以外。笑
特に、学生時代、いい感じだったマネのユミコが実は監督と不倫してるということがわかった後
ひとりで男泣きするところは臭いけどよかったです。
徐々に暗転していく中響くすすり泣きにグッときたなぁ。

でも一番ヤバかったのがブロキャス・吉村演じる桜井が高校時代の無念を爆発させるところでした。
自分もバスケ部のマネをやってたこともあって、わかりすぎました。
部活って、結果ももちろんだけど自分が出し切れたか・納得してやり切れたかがとても重要なんですよ多分。
桜井はそこが昇華されてない。終わり方に納得できず12年間村上扮するエースを許せないんです。
さらに家庭の事情で自分は野球を続けられなくなったこともあって、鬱屈していた気持が一気に爆発する。
あのシーンが切実な悔しさを表現しきれているから、そのあとの村上や池田の本当の事情がわかったとき
よりやり切れない気持ちになりました。

フォービーズの岡田さんもよかったです。とにかく可愛い！！！
幽霊となって村上と対話するときは回想シーンと違って母親・妻となった芯のあるキャラクターになっていて
すごいなぁと思いました。
理想のおんなのこでした。ギャグも頑張ってらっしゃいましたね！！

ポテ少は高校生姿がさすがに苦しかったかな。笑　キクさまとか完全にリーマンでしたよ。笑
でもこの３人がいてくれたおかげで誰も悪者にならなくて済んだような気もします。
うまく全員のフォローに入る役どころだったんじゃないかなと。
内ちゃんがいなかったら吉村さんやな奴度数もっと上がってただろうし。笑

あべさんは自由だなー、茶々入れ要因なのかなーと思っていたら（失礼！）ものすごく重要な役で！！
それを分かって観るとほんっとどうしようもない大人ですよ、あの監督。
要は“どこまでも自分のことしか考えてない”人間ですからね。
そんな監督と対比すると、部員たちの健康的なこと！
吉村さんのやってる桜井だって、野球が大好きで村上のことも信用してたからこそ終わり方に納得がいかないという
どこまでもまっすぐな奴なんですよね。
「（部員のみんなは）すてきなおじさんたちだと思うな。少年の心を忘れてないっていうか。」
というような岡田さんのセリフがありましたが、
この舞台の成功の大きな一因として、ホントに素敵な大人たちを演者に持ってこれたってことじゃないでしょうかね。
そういう意味でホントにあべさんとポテ少の皆さんあっての舞台だったと思います。

GO!皆川はあんまり印象にありません。爆
ちょっとやっぱり堅かったかな。
他の演者さんがそれなりに達者だったので若干ぎこちなさが目立っちゃってたような。
まぁこれからでしょう。


で、話全体に関してですが。
“やり直しのきかない事実を、ただひたすらに実感する”とかいてありますが、
ちゃんと救いがあって後味のいい終わり方でしたね。
過去は変えられないけど、すれ違ったりねじ曲がったりしちゃったことは修正がきくんだよね。
自分のやったことをきちんと引き取ることが大事なんだと思う。
引き取ったからこそ村上も池田も他の部員に一切言い訳をしなかったんでしょうね。
かっこいいね。

あ、あと音楽がやたらタッチで笑ってしまったよ！！

DVD化、してくれないかなー。